現場から始まるDX-第3回「サスケWorks」ユーザー会レポート
2025年11月27日(木)、Aivicスペース渋谷にて『第3回サスケWorksユーザー会』を開催しました。当日は全国から30社44名のユーザー・パートナーの皆様にご参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。
今回のテーマは「現場から始まるDX」。日々の業務改善に取り組むリアルな声が共有されました。ノーコードとAIを軸に、現場から変化を生み出すヒントが詰まったあっという間の3時間となりました。
本レポートでは、その様子をお伝えします。
開会のご挨拶
インターパーク代表、舩越からのご挨拶で、ユーザー会は幕を開けました。
「ノーコードの本質は、単にアプリを作れることではなく、自分たちで変えられるという力を現場に取り戻すこと。本日参加の皆様は、その実践を通じて現場から変革を起こす先駆者です。皆様の実践やご意見とともに、サスケWorksも進化していきます」とのメッセージが伝えられました。
開発ロードマップ
続いて、サスケWorks開発責任者であるインターパークCTOの須田より、今後の開発ロードマップが発表されました。
AI活用が進む一方で、実務での活用はまだ限定的であるという課題を踏まえ、今後は「外部AIとの連携強化(MCP連携)」と「ワークス内部への対話型AI実装」を軸に進化していく方針が示されました。
ノーコードとAIを組み合わせ、現場の誰もがデータを活かせる業務インフラを目指していく考えが語られました。
今後の現場での活用を見据えた説明に、関心と期待が集まりました。

ユーザー事例発表
ここからは、株式会社HINODE 代表の西田様にモデレーターとしてご参加いただき、サスケWorksを活用しているユーザー企業3社による事例発表が行われました。
導入のきっかけや最初の一歩、現場での工夫や試行錯誤など、「現場から始まるDX」のリアルな取り組みが共有されました。
株式会社三光社様—属人化業務の見直しから始める、現場主導のDX
新潟県に本社を置く半導体・電子部品の専門商社、株式会社三光社様では、仕入先からの価格変更や廃番情報を社内へ共有する「仕入先案内通知業務」が、特定の担当者に依存した属人的な業務となっており、長年の課題でした。メール配信やExcel管理、週次のリマインドなど、多くを手作業で行っていました。

サスケWorks導入後は、通知メールやリマインドの自動化、閲覧履歴の可視化により、業務時間の短縮と精神的な負担の軽減につながった事例が紹介されました。さらに、出張申請や稟議、休暇届のアプリ化にも取り組み、業務改善の範囲を広げていった様子が伝えられました。
担当の小林様は、サスケWorksを「専属アシスタントのような存在」と表現されました。
「ノーコードは、実際に使ってみるとやりたいことの多くを実現できます。完璧を目指さず、まずは使ってみること。現場の声を拾いながら改善を重ねることが、DX定着のポイントです」と話されました。
税理士法人中山会計様—ツール乱立と紙業務を見直し、現場で育てるDXへ
石川県に拠点を置く税理士法人中山会計様では、複数のクラウドツールを導入していたものの使いこなせておらず、加えて、紙中心の業務にも課題を抱えていました。「一つのツールで業務を一元管理したい」とサスケWorksを導入されました。

導入後は、既存ツールで運用していた「商談管理」の再現から始まり、申告代理業務や確定申告の進捗管理へと段階的に活用範囲を拡大。ダッシュボードによる進捗の可視化によって、社員間で自然と声をかけ合う場面が増えたそうです。
印象的だったのが、AIとカスタムコードの活用方法です。AIで生成したコードをカスタムコードとして取り入れ、画面装飾や入力制御も現場主導で実装。アプリの使い勝手と活用の幅が大きく広がったそうです。
運用定着に向けては、全体ミーティングでの繰り返しの説明やマニュアル整備、ハンズオン研修の実施など地道な工夫を重ねてきたといいます。あわせて、現場からの要望をすぐに反映させる姿勢も重視しているとのことでした。
担当の田圃様・中宮様からは、「データベースアプリは、実務を担う現場が自ら構築することで最大限の価値を発揮します。100%完成させてから使うのではなく、70%ほどで使い始め、現場の声を聞きながら育てていくことで、使う側にも愛着が生まれ『自分たちのシステム』になっていきます」とのメッセージがありました。
西海市商工会様—紙・FAX業務の見直しから始める、商工会ならではの現場DX
長崎県西海市商工会様では、会員事業者への支援業務において、手書きFAXや紙資料が多く残っていることが課題となっていました。
サスケWorks導入後は、AI-OCRによる手書き書類のデータ化で、CSV出力できる仕組みを構築。労働保険の手続き業務ではRPAと連携し、国のシステム(e-Gov)への入力作業も自動化され、大きな業務改善につながったといいます。

そのほか、公用車の運転日報や備品購入申請のアプリ化、050電話アプリ「SUBLINE」との連携による、通話対応の記録・可視化など、現場に合わせた改善を段階的に実施。SUBLINE連携によって、個人の携帯番号を使わずに済む点は職員の安心感にもつながり、対応履歴の共有によるトラブル防止にも効果を感じているとのことです。
担当の田中様からは、「サスケWorksはコスト面でも導入しやすく、商工会の現場に合ったDXが進められる」との声があり、紙中心の業務から一歩ずつデジタル化を進める重要性が共有されました。
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3社の事例に共通していたのは、最初から完成形を目指すのではなく、現場が主体となって使いながら育てていく姿勢でした。
身近な業務から小さく始め、現場の声を反映しながら改善を重ねていくことが、DXを定着させるポイントとして共有されました。
こうした取り組みは、これから活用を広げていく多くの現場にとっても、次の一歩を考えるヒントになったのではないでしょうか。
パートナー事例発表
DX支援を行う立場でありながら自社でもサスケWorksを活用するパートナー企業から、実践を通じた取り組みが紹介されました。
実際の支援現場での関わり方が共有され、今後の活用や相談につながるヒントが示されました。
株式会社電算サービス様
システム開発・ITコンサルティングを手がける株式会社電算サービスの内田様からは、「SIerが現場とともにつくるDX」をテーマに、伴走型の支援スタイルが紹介されました。

サスケWorksの「誰でもアプリを作れる」という点に可能性を感じ、まずは自社での活用を開始。現在は16のアプリを運用し、Excelに分散していた情報の一元管理や業務フローの可視化に取り組んでいるとのことです。
今後は、こうした自社での試行錯誤を通じて得られた知見を活かし、「サスケWorksを使うことで何ができるか」を起点に、課題整理から改善までを現場とともに進めていく方針が示されました。
あわせて、業界別テンプレートアプリの整備や実用的な有料アプリの提供にも取り組み、継続的な改善を前提とした伴走型のDX支援を行っていきたいと展望が語られました。
株式会社カトム様
Web・業務アプリ開発を手がける株式会社カトムの荒木様からは、サスケWorksをベースにした技術拡張型のDX支援事例が紹介されました。

操作性や標準機能、コスト面に魅力を感じ、パートナーとしての取り組みを開始。JavaScriptやCSSを用いたカスタムコード活用を強みとし、自社では交通費申請や休暇申請アプリを構築。発表では、こうした自社利用アプリのデモンストレーションが行われました。
今後は、標準機能とカスタムコードの役割を整理しながら、ユーザー自身が無理なく自走できるDXの実現を支援していきたいとしています。また、カスタムコードを活用したノウハウを、ウェビナーなどを通じて発信していきたいとの考えも語られました。
技術の力で活用の幅を広げ、現場に寄り添ったDXを支えていく姿勢が印象的でした。
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パートナー企業様からは、自社の得意を活かしながら、
「サスケWorksを一緒に広めていきたい」
「現場DXの一助になりたい」という共通した思いが伝えられました。
現場DXをともに推進していく、心強いパートナーの存在を感じる時間となりました。
パネルディスカッション
現場から始まるDXのリアル ─ 紙と属人化を超えた実践ストーリー
イベントの締めくくりとして行われたパネルディスカッションでは、福岡県に本社を置き、13店舗の調剤薬局(サンワ調剤薬局・こくりつ薬局)を運営する株式会社ハイ・メディカル廣津様、税理士法人中山会計の田圃様に登壇いただきました。実務の最前線でDXに取り組む立場から、率直な意見が交わされました。

業種は異なるものの、両者に共通していたのは、紙やExcel、スプレッドシートが各所で使われ、情報が分断されていたという課題です。
DXの出発点は「もっと効率化したい」という理想論ではなく「このままでは業務が回らない」という現場の切実な課題だったと語られました。
廣津様は、店舗数の多さや業務の広がりを背景に「現場に負荷をかけず、必要な情報にすぐアクセスできる仕組み」が重要だったと説明。サスケWorksを中心に外部ツールを組み合わせ、社内ポータルのような役割で活用している事例が紹介されました。また、完璧を目指さずまず小さく始め、声を上げた社員に役割を渡しながら、少しずつ現場を巻き込んで社内DXを定着させていった工夫も印象的でした。
田圃様からは、現場主導で取り組むからこそ、業務を理解したうえで使う人の気持ちを考え、対話しながら進めていく姿勢が重要だという話がありました。現場と一緒に考え続けられる状態をつくることが、DXを進めるうえでのポイントとして語られました。
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パネルディスカッションを通じて、
DXはツールや仕組みを整えることだけではなく、現場が判断し、少しずつ変えていける状態をつくることが大切だと、あらためて共有されました。
完璧な正解を用意するのではなく、現場が声を上げ、手を動かしながら改善を重ねていく。
その積み重ねが、組織を自然に動かしていく力になっていることが、二人の対話から浮かび上がってきました。
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パネルディスカッション終了後には、記念撮影を行いました。
セッションを終えたあとのリラックスした空気の中、会場には和やかな雰囲気が広がっていました。

まとめ
今回で3回目となるサスケWorksユーザー会には、これまで以上に多くの方にご参加いただきました。ご来場いただいた皆様には、心より御礼申し上げます。
今回のテーマは「現場から始まるDX」。
試行錯誤を含めたリアルな取り組みが、数多く共有されました。
参加者の皆様の声を通じて、サスケWorksが現場主導のDXを支える土台として、さまざまな業種・業務へと活用の幅が広がっていることを実感しました。
今後もユーザーの皆様とともに、現場に寄り添ったサービスづくりを続けていきたいと考えています。次回のユーザー会でも、ぜひ現場のリアルな声をお聞かせください。
著者情報

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