ATS(採用管理システム)とは?機能・Excelとの違いをわかりやすく解説
採用管理をExcelやメールで行っていると、「どの応募者がどの選考段階にいるのかわからない」「連絡が遅れて辞退された」といった悩みを抱えやすくなります。
こうした課題を解決する手段として注目されているのが、ATS(採用管理システム)です。
この記事では、ATSの意味や主な機能を解説したうえで、Excel管理との違いやメリット・デメリット、選び方までわかりやすく紹介します。
ATSとは?
ATSとは「Applicant Tracking System」の略で、日本語では「採用管理システム」と呼ばれます。
Applicantは「応募者」、Trackingは「追跡」を意味し、応募から内定・入社までの選考状況を一つのシステムで管理するツールです。
応募者情報や応募経路、選考ステータス、面接評価などを一か所に集約できるため、採用担当者と面接官が同じ情報をリアルタイムで共有できます。
ATSが注目されている背景
TSが注目される主な背景は次の3つです。
- 採用手法の多様化:求人サイトに加え、求人検索エンジンやダイレクトリクルーティング、リファラル採用など応募経路が増え、Excelでの管理が煩雑になっている
- 人手不足による採用競争の激化:応募者は複数社を並行して受けるため、対応が遅れると選考辞退・内定辞退につながりやすい
- クラウド型の普及:月額制で初期費用を抑えられるサービスが増え、中小企業でも導入しやすくなった
こうした変化から、「採用人数は多くないが、Excel管理に限界を感じている」という企業でもATSが現実的な選択肢になっています。
ATSの主な機能
ATSには、採用活動の各工程を効率化する機能が備わっています。
ここでは代表的な5つの機能を紹介します。
求人管理:求人媒体・採用サイトとの連携
求人管理は、募集中の求人をまとめて作成・管理する機能です。
複数の求人媒体を使っている場合、手作業だと媒体ごとに管理画面へログインし、同じ内容を何度も入力しなければなりません。
掲載内容の修正漏れや募集終了後の掲載し忘れも起きがちです。
ATSでは、求人媒体や自社の採用サイトと連携し、求人情報の掲載・更新をATS上から一括で行えます。
サービスによっては、Indeedなどの求人検索エンジンへの掲載にも対応しています。
応募者管理:応募者情報の一元管理
応募者管理は、応募者の情報を一つのデータベースにまとめる機能です。
Excelで管理している場合、各媒体から届いた応募者情報を手作業で転記する必要があり、入力ミスや同じ人の重複登録が起きやすくなります。
ATSなら、求人媒体や人材紹介会社経由の応募者情報を自動で取り込めます。
氏名や連絡先だけでなく、履歴書、応募経路、過去のやり取りも応募者ごとにまとまるため、「あの人の履歴書はどこにあったか」と探す手間がなくなります。
また、面接官ごとに閲覧できる情報を制限できるサービスも多く、個人情報を安全に扱えます。
選考管理:進捗管理と面接日程の調整
選考管理は、応募者ごとの選考状況を記録・共有する機能です。
「書類選考中」「一次面接済み」「最終面接待ち」といったステータスを一覧で確認できるため、対応が止まっている応募者にすぐ気づけます。
面接官の評価コメントもATS上に残るので、次の面接官への引き継ぎもスムーズです。
さらに、Googleカレンダーなどと連携して面接官の空き時間を自動で抽出し、応募者に候補日を提示できるサービスもあります。
メールで何度も候補日をやり取りする手間が減り、面接設定までのスピードが上がります。
内定者管理:内定通知と入社までのフォロー
内定者管理は、内定を出した人を入社までフォローするための機能です。
内定通知の送付状況や入社書類の提出状況、内定者との連絡履歴をまとめて管理できます。
優秀な人材ほど他社からも内定を得ているため、内定を出して終わりではなく、入社まで接点を保つことが重要です。
ATSで「最後に連絡したのはいつか」「提出されていない書類はないか」を把握しておけば、フォローの抜け漏れによる内定辞退を防ぎやすくなります。
採用分析:採用データの可視化
採用分析は、ATSに蓄積されたデータを自動で集計・グラフ化する機能です。
応募数、書類選考の通過率、面接の通過率、内定承諾率などを、媒体別・職種別に確認できます。
たとえば「A媒体は応募が多いが採用につながっていない」「一次面接の後に辞退が集中している」といった傾向がわかれば、求人媒体の見直しや選考フローの改善を感覚ではなくデータをもとに判断できます。
Excelで集計表を作る手間がなくなり、経営層への報告資料にもそのまま使えます。
ATSとExcel管理の違い
ExcelもATSも応募者情報を管理できる点は同じですが、両者は「情報を記録するための表」と「採用業務を進めるための仕組み」という点で性質が異なります。
主な違いは次の4つです。
情報の登録方法:手入力か、自動取り込みか
応募者情報をどうやって集めるかは、採用担当者の作業量に最も大きく影響するポイントです。
応募経路が増えるほど、両者の差は大きくなります。
- Excel:各媒体の管理画面やメールで届いた情報を、担当者が一件ずつ手入力する。項目は自由に決められるが、転記の手間や入力ミス、重複登録が起きやすい
- ATS:連携している求人媒体や人材紹介会社から、応募情報を自動で取り込む。担当者の役割は「入力」から「確認と対応」に変わる
情報共有の方法:ファイルの受け渡しか、同じ画面での共有か
採用には、採用担当者だけでなく面接官や現場の責任者など複数の人が関わります。
そのため、情報をどう共有するかも重要な違いです。
- Excel:ファイルを共有フォルダに置いたり、メールやチャットで送ったりして共有する。最新版がわからなくなったり、見せる必要のない情報まで共有されたりしやすい
- ATS:全員が同じシステムにログインし、同じ画面で最新の情報を確認する。ユーザーごとに閲覧できる範囲を設定できる
業務の進め方:人が確認して動くか、システムが知らせてくれるか
Excelは情報を記録するための表で、それ自体が業務を進めてくれるわけではありません。
一方、ATSは採用業務の流れそのものをシステムで管理します。
- Excel:次に誰へ連絡するか、どの応募者の対応が止まっているかを、担当者がファイルを見て判断する。日程調整や合否連絡は、メールなど別のツールで個別に行う
- ATS:新しい応募や対応期限をシステムが通知する。日程調整や応募者への連絡、応募数や通過率の集計までATS上で完結する
費用と自由度:無料で柔軟か、有料で仕組み化されているか
Excelには、費用と柔軟性という明確な強みがあります。
ATSはその代わりに業務の仕組みがあらかじめ用意されています。
- Excel:多くの企業ですでに導入されており、追加費用なしで始められる。管理項目やレイアウトも自由に変えられるが、運用ルールが担当者任せになりやすい
- ATS:月額費用がかかり、設定もサービスの仕様の範囲内に限られる。その代わり、担当者が変わっても同じ運用を続けやすい
このように、Excelは費用をかけずに柔軟に使える一方で情報の入力や共有、次の対応の判断をすべて人が担う必要があります。
採用人数が年に数名程度で利用する媒体も限られているなら、Excelでも十分に管理できるでしょう。
しかし、転記作業に追われている、連絡漏れで選考辞退が起きた、面接官と最新の状況を共有できていないといった状況が見られるなら、Excel管理の限界が近づいているサインです。
Excelからの移行を考える際は、既製のATSだけでなく自社の運用に合わせて採用管理アプリを作れるノーコードツールも選択肢の一つです。
サスケWorksでできることは、以下の資料で詳しく紹介しています。
ATSを導入するメリット・デメリット
ATSを導入すると採用業務は大きく効率化されますが、費用や運用面で注意すべき点もあります。
ここでは、導入を検討する前に知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
メリット①:選考漏れや対応遅れを防げる
ATSでは、求人媒体などからの応募情報が自動で取り込まれ、新しい応募があるとすぐに通知が届きます。
応募があったその日のうちに連絡できるため、応募者の志望度が高いうちに面接へ進められます。
また、応募者ごとの選考ステータスが一覧で表示されるため、対応が止まっている応募者にもすぐに気づけます。
「連絡したつもりだった」という選考漏れや、対応の遅れによる他社への流出を防ぎやすくなります。
メリット②:日程調整や情報共有の手間を減らせる
多くのATSはカレンダーツールと連携でき、面接官の空き日程をもとに応募者へ候補日を提示できます。
応募者が自分で面接日時を予約できるサービスもあり、日程調整のためのメールの往復が大きく減ります。
面接評価や応募者とのやり取りもシステム上に記録されるため、次の面接官への引き継ぎや現場責任者との情報共有もスムーズです。
閲覧権限を設定しておけば、必要な人に必要な範囲の情報だけを共有できるので個人情報の管理面でも安心です。
メリット③:データをもとに採用活動を改善できる
ATSには日々の選考の記録をもとに、媒体別・選考段階別の応募数や通過率を自動で集計・可視化する機能があります。
たとえば「A媒体は応募が多いが採用につながっていない」「一次面接の後に辞退が多い」といった傾向がわかれば、求人媒体の見直しや選考フローの改善につなげられます。
感覚ではなくデータをもとに採用活動を振り返れるため、採用の精度を高めながら費用の無駄も減らせます。
デメリット①:月額費用が想定より高くなりやすい
ATSの料金はサービスによって幅があり、月額数千円から利用できるものもあれば数万円を超えるものもあります。
応募者数やユーザー数に応じて料金が上がるプランや、媒体連携・LINE連携などがオプション扱いのサービスも多く、必要な機能を追加すると当初の想定より高くなりがちです。
見積もりは「今の採用規模」だけでなく「1年後の採用規模」でも確認しておきましょう。
初期費用やオプション費用を含めた年間の総額で比較し、採用人数に見合う費用かを判断することが大切です。
デメリット②:初期設定やデータ移行に手間がかかる
ATSは契約してすぐに使えるわけではなく、選考フローや評価項目、メールテンプレート、求人媒体との連携などの初期設定が必要です。
Excelなどで管理していた過去の応募者データを移行する場合は、項目の整理や形式の変換にも時間がかかります。
導入時期は採用の繁忙期を避け、設定に使える時間を確保しておきましょう。
導入支援や設定代行などのサポートがあるサービスを選べば、担当者の負担を抑えながら立ち上げられます。
デメリット③:機能が多いと現場に定着しない
高機能なATSほど画面や設定項目が多く、操作が複雑になりがちです。
採用担当者は使いこなせても面接官が評価を入力しない、結局Excelやメールでのやり取りに戻ってしまう、といった形で現場に定着しないケースもあります。
無料トライアルを使い、採用担当者だけでなく面接官にも実際に操作してもらいましょう。
機能の多さよりも、自社の選考フローに合っていて「誰でも迷わず使えるか」を優先して選ぶことが、定着への近道です。
ATSの選び方
ATSは数多くのサービスがあり、得意な採用領域や機能もさまざまです。
導入してから「自社に合わなかった」とならないよう、ここでは選ぶ際に確認したいポイントを解説します。
クラウド型とオンプレミス型の違い
ATSには、インターネット経由で利用する「クラウド型」と自社のサーバーにシステムを構築する「オンプレミス型」があります。
クラウド型は契約後すぐに使い始められ、初期費用を抑えやすいのが特徴です。
システムの保守やアップデートは提供会社が行うため、社内にIT担当者がいなくても運用できます。
一方、オンプレミス型は自社の要件に合わせて細かくカスタマイズできますが、サーバーの構築や保守に費用と手間がかかります。
現在はクラウド型が主流で、中小企業や初めてATSを導入する企業であればクラウド型から検討するのが一般的です。
オンプレミス型は独自のセキュリティ基準がある大企業など、一部のケースに限られます。
自社の採用課題・採用規模に合っているか
ATSは製品ごとに得意分野が異なります。
新卒採用向け、中途採用向け、アルバイト採用向けなど対象が分かれているほか、「応募者を集める」「選考を効率化する」「データを分析する」など、強みを持つ機能もさまざまです。
そのため、まずは「応募が集まらない」「日程調整に時間がかかる」「辞退が多い」など、自社が一番解決したい課題を明確にしておくことが大切です。
課題に合った強みを持つサービスを選べば、導入効果を実感しやすくなります。
あわせて、採用規模に対して機能や料金が過剰でないかも確認しましょう。
採用人数が少ない企業が大企業向けの高機能なATSを導入すると、使わない機能に費用を払い続けることになります。
利用中の求人媒体・ツールと連携できるか
ATSのメリットを十分に得るには、今使っている求人媒体や人材紹介会社と連携できるかが重要です。
連携していない媒体からの応募は手作業で登録する必要があり、せっかく導入しても転記の手間が残ってしまいます。
また、面接の日程調整に使うGoogleカレンダーやOutlook、社内連絡に使うSlackやTeams、応募者との連絡に使うLINEなど、日常的に使っているツールと連携できるかも確認しておきましょう。
連携できるツールが多いほど、ATSを中心に業務をまとめやすくなります。
既製ATSが合わないならノーコードで作る選択肢もある
「採用人数に対して月額費用が高い」「自社の選考フローに合う製品が見つからない」など、既製のATSが合わないと感じる企業もあります。
そのような場合は、プログラミングの知識がなくても業務アプリを作れる「ノーコードツール」で、自社に合った採用管理アプリを作るという方法もあります。
Excel・既製ATS・ノーコード自作の比較
採用管理の方法は主に次の3つです。
自社の採用規模や課題に合わせて選びましょう。
- Excel:追加費用なしですぐに始められるが、入力や共有、集計はすべて手作業になる。採用人数が少ない企業向け
- 既製ATS:媒体との自動連携など機能が充実しているが、月額費用がかかり、設定は製品の仕様の範囲内に限られる。採用人数が多く、複数の媒体を併用している企業向け
- ノーコードで自作:自社の選考フローに合わせて必要な機能だけで作れ、費用も抑えやすい。媒体との自動連携は限られるため、CSVでの取り込みなどで対応する。Excelでは限界だが、既製ATSは合わない企業向け
ノーコードでの自作は、Excelの手軽さと既製ATSの一元管理の良さを自社に合った形で両立しやすい方法です。
サスケWorksで作った採用管理アプリの活用事例

ノーコードツール「サスケWorks」では、アプリストアからダウンロードできる「採用管理」アプリをベースに、自社の運用に合わせた採用管理の仕組みを作れます。
主な機能は次のとおりです。
- 求人媒体からダウンロードしたCSVで、応募者情報を一括登録できる
- 履歴書や職務経歴書などのPDFを、応募者ごとに紐づけて管理できる
- 選考フローや面接の評価項目を、自社に合わせて自由に設定できる
- ダッシュボードで、選考状況ごとに候補者の一覧を確認できる
- 担当者ごとに閲覧権限を設定し、安全に情報を共有できる
- 説明会の案内などを、応募者へ一斉にメール配信できる
サスケWorksでは、実際に採用管理アプリを活用している事例も公開しております。
ぜひ、下記よりお読みください。
よくある質問(FAQ)
ATSは中小企業や採用人数が少ない会社でも使えますか?
はい、使えます。
中小企業向けのプランや応募者数に応じて料金が決まるサービスも多く、採用人数が少ない会社でも導入しやすくなっています。
特に、人事担当者が他の業務と兼任している会社ほど、応募者情報の一元管理や日程調整の効率化によるメリットを感じやすいでしょう。
ただし、採用人数が年に数名程度であれば、Excelで十分に管理できる場合もあります。
費用に見合うか判断が難しい場合は、無料プランや無料トライアルで試してみるか、ノーコードツールで必要な機能だけの採用管理アプリを作る方法も検討してみてください。
ATSとHRIS・タレントマネジメントシステムの違いは?
大きな違いは管理する対象と期間です。
- ATS(採用管理システム):求人への応募から入社までの「応募者」を管理する
- HRIS(人事管理システム):入社後の従業員情報や勤怠、給与など、人事業務全般を管理する
- タレントマネジメントシステム:従業員のスキルや評価をもとに、育成や配置を管理する
ATSは採用活動に特化したシステムで入社後の人事管理は対象外です。
なお、タレントマネジメントシステムの中には採用管理の機能を備えた製品もあり、採用時のデータを入社後の育成や配置に活かすこともできます。
ノーコードで作ったATSと既製品の違いは?
既製品のATSは求人媒体との自動連携や日程調整など、採用に必要な機能が最初からそろっており、契約後すぐに使い始められる点が強みです。
一方で、月額費用がかかるうえ、自社の選考フローに合わない機能が含まれることもあります。
ノーコードで作る場合は、自社の選考フローや評価項目に合わせて必要な機能だけで構成できます。
費用を抑えやすく現場に合った仕組みにできる反面、アプリの構築に一定の時間がかかり、求人媒体との自動連携も既製品ほど充実していません。
採用規模が大きく多くの媒体を使うなら既製品、自社に合わせた仕組みを低コストで作りたいならノーコードが向いています。
ATSの意味と機能を理解して、自社に合った採用管理の方法を選ぼう
ATS(採用管理システム)とは、求人への応募から入社までの採用プロセスを一つのシステムでまとめて管理するツールです。
応募者情報の一元管理や選考状況の共有、面接日程の調整、採用データの分析などを通じて選考漏れや対応遅れを防ぎ、採用活動の精度を高められます。
一方で、月額費用や初期設定の手間、現場への定着といった注意点もあります。
採用人数が少なければExcelで十分な場合もあり、高機能なATSが必ずしも正解とは限りません。
大切なのは、自社の採用規模や課題、運用フローに合った方法を選ぶことです。
「Excel管理には限界を感じているが、既製のATSは費用や機能が合わない」という場合は、ノーコードツールで自社専用の採用管理アプリを作るのも一つの方法です。
サスケWorksなら、アプリストアの「採用管理」アプリを使って、すぐに採用管理を始められます。
まずは、30日間の無料トライアルで自社の採用フローに合うか試してみてください。
著者情報

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ノーコードWEBアプリ作成ツール「サスケWorks」のオウンドメディアです。
ノーコード技術やアプリ開発に関する情報や初心者向けの使い方、活用事例など、皆さまの業務効率化に役立つ情報をお届けしています。
ノーコードでのアプリ作成に興味がある方や業務改善を目指している方に向けて、実践的なノウハウをわかりやすくご紹介していきます。
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