業種 | 経済団体 |
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従業員数 | 8名 |
URL | https://www.shokokai-nagasaki.or.jp/sasehoku/ |
利用目的 | 応募用紙のデータ化 |
利用アプリ | AI‐OCR活用 |
利用プラン | スタンダードプラン |
コロナ感染症緊急経済対策である市商店街の活力回復促進事業として、プレミアム商品券の募集販売を行いたく、応募ハガキのデータ化を短期間でできる方法を検討していました。
補助金の事業制約があり実施期間が決まっていましたので、今回実施するなら募集締切から4日ほどで当選者決定までを行わなければならず、時間的な制約が課題でした。
一昨年も(2022年)商品券購入の募集は行っており、そのときは約11,000枚の応募がありました。
応募ハガキのデータ化には、職員が交代でExcelに打ち込み作業をして、約1カ月かかりました。
今回もある程度の応募枚数が想定されるなか、同じ方法では到底間に合いません。
地域にお金が入ってきますし、会員さんの事業所を一般のお客様が利用するきっかけにもなりますので、
どうにかして事業の申請は行いたいと思っていました。
そんな中、県内商工会の職員が集まって事務効率化などを検討している委員会で、西海市商工会がDXの取り組みとしてサスケWorksのAI-OCRを利用し、会員向けのアンケートをデータ化したという事例を聞き興味を持ちました。
導入までには、サスケWorks含め3社のAI-OCRサービスを比較検討しました。
その中でサスケWorksを選んだ理由ですが、まずは価格面です。限られた事業予算内で導入が可能でした。
次に環境の構築です。比較した他のサービスは、初期設定は原則自分たちで行ってください、というものでした。
サスケWorksは、初期設定や環境構築も見積もりに含まれていましたので、設定含めて発注することができ、
アプリ作成に関して不安なところもあったのですが、安心して利用を開始することができました。
昨年(2023年)の12月にプレミアム商品券購入申し込みの受付を行いました。
今回は、約8,600枚の応募がありました。
具体的な作業はと言いますと、AI-OCRでの読み取りなので、打ち込み作業は全くありません。
通信回線の状況にもよりますが、ハガキ50枚のPDF1つを読み取る時間は4~5分程度でした。
読み込まれてデータ化された文字を目視でチェックしていく作業です。
目視チェックは50件ごとに行い、50件で20~30分。10日間で作業は完了しました。
前回の打ち込みによるデータ化は、6~7時間の作業で平均500枚、完了までに1カ月ほどかかりました。
作業時間で比べるとおよそ35%の効率アップです!
また職員の話によると、疲労度が全く違うと好評でした。
打ち込み作業をしていたときは疲労感が大きく、それ以外の業務はなかなか集中できない感じだったそうですが、今回の目視チェックの場合は疲労度が低く楽だったそうです。
識字率については導入前に98%と聞いていました。
しっかりと計算していませんので体感になりますが、その数値に近い感覚です。
50件単位でチェックをしていき、そこに対し修正箇所が5〜7件でした。
ハガキの項目が6項目ですので、ほぼあてはまっていると感じています。
数字の読み取り精度が高かったです!
名前については、﨑、邊、邉、濵、濱、髙、國、瀨のほか、達筆で流れるような手書き文字も正しく読み取っていました。
住所の部分は、2行3行に改行して記入している、枠外にはみ出しているなどで読み取りが正しく行われないことがあり、ここは課題が残りましたので改善の余地があると思います。
今回システムを活用してみて、便利だと感じたことがいろいろありました。
目視チェックの際でいうと、データ化された文字の上部に該当箇所の画像が表示されるので付け合わせ作業がとても楽でした!どうしても判読できない文字があった場合、まずは項目上部の画像で確認、それでもわからない場合は画面左側に表示されるハガキ全体の画像で確認、それでもわからない場合は登録番号から原本で確認と、無駄なく追っていくことができました。
また、AI‐OCRで読み込むため、応募ハガキを全件スキャンしたのですが、そのデータが意外と便利で役立っています。例えば、商品券郵送後「届かない」といった問い合わせがあったとき、スキャンデータで住所や郵便番号が確認でき、データ化する便利さを感じています。
これまでハガキはExcelに登録した後は、ほぼ読み返すことがない状態で保管していたのですが、データ化すれば保管場所もとらず、検索してすぐ探すこともできます。
今回は補助金での事業だったこともあり、次回同じようにできるかは正直わかりません。
ですが、実際にAI‐OCRの活用を体験しとても便利だと感じました。手打ち作業では、このような短時間でデータ化は実現できませんでしたし、職員にとっても作業がとても楽になりましたので、次回も望む声が大きいのは間違いないと思っています。(笑)
またこの活用を通して、別のアンケート事業でも使えるのではないか?会員さんの事業所の記帳データや会計データの取り込みなどにも使っていけるのではないか?というように、他の事業での活用に前向きに考えられるようになりました。
AI‐OCRやDXツールなどは実際に活用してみないと便利さがわからないので、対応できそうな事業があれば、まずは踏み出して始めてみるのがよいと思います。
わたしは同県の商工会での利用事例を聞けたことが、今回の商品券の事業の話が来たときにやってみようと思ったきっかけになっています。
話を聞いていなければ、そういった考えには及ばなかったし、やっていなかったです。同業や異業種での、いろいろな取組みを聞いてみることも大事だと思いました。
今後も新しいことに踏み出してみないといけないなと改めて感じました。